無理やり引っ張り出された普結くんは、不格好に走り出す。

無茶苦茶な走り方だったけど、速い。


一着でゴールした2人は、ゴール地点で倒れ込んだ。



「ねえ、お題なんだったの?」


2人のもとに駆け寄って、リエちゃんが尋ねた。

鈴木はその問いかけに、にっこり笑って言った。


「高校でできた一番の友達!」

「…………っ、」


一寸の迷いもない目で笑うから、
なんだかこっちが照れ臭くなってしまった。

ふと普結くんに目を移すと
顔を手で隠してそっぽ向いていた。



「……耳が真っ赤」


思わず口にしてしまった言葉にリエちゃんと鈴木が顔を見合わせた。



「………ふゆぅぅぅ!!!名に照れてんだよぉぉおお」

「うっせえやめろ!照れてねえ」

「またまたあ〜顔赤いよ?」

「日焼けのせいだって」

「普結は俺の一番の友達だからな!」



鈴木にもみくちゃにされる普結くんは、

いつもよりも柔らかい顔をしているような気がした。