「てかさ、普結は?
朝から見てねーけど」


無邪気に発した鈴木の言葉に心臓が大きく飛び跳ねる。

もはや普結くんの名前を聞くだけで、これだ。


…重症。


「あれじゃない、応援団の…
打ち合わせするとかなんとか言ってたわ」

「そっか!楽しみだなー応援団!!
俺も気合入れて競技出なきゃ」

「ちなみに鈴木は何に出るの?」

「俺は借り物競走だぜ?」

「おお…ドヤ顔する意味がわからない…
まあ頑張ってね…。」


競技には一人ひとつ以上参加するのが一応ルールになっている。

ちなみにあたしが出るのは対抗リレーだ。


「桃脚速いもんね。どんな人間にも一つは取り柄があるもんなのねえ」

「…悪口?」