「いいか、おやつはバナナに入らないからな!
ポカリスウェットはこっそり水筒に入れてきても大丈夫だ。
カルピスは色でバレちゃうからアウトだぞ!
気を付けろ!」

「おやつはバナナに入らないんじゃなくてバナナはおやつに入らないんだろ馬鹿。
あと今日は遠足じゃなくて体育祭なんだよ馬鹿。
ジュース禁止みたいな言い方すんな馬鹿。」

「リエちゃん的確なツッコミありがとー…」


体育祭当日。

自称青春の貴公子鈴木は、″体育祭″という言葉だけでテンションが上がってしまうお馬鹿さんだ。


朝からテンションが高い。
むしろ高すぎる。


今日もキラキラと輝く金髪をちょんまげにして、気合十分だ。



「…あたしなんか帰りたい気持ちでいっぱいなんだけど」

「なに言ってんだよ相楽!祭りはこれからだぜ?」

「……うざ…」


低血圧のリエちゃんからすると、
鈴木は朝から絡みたくない人物ナンバーワンだろう。


…お気の毒に。