「あたし普結くんになんかしたっけ…嫌われるようなこと…」

「え、嫌いとか俺一言も言ってない」

「いや偽善者やら平和な頭の造りしてるやら言われてるんだよ…?
嫌われてるんじゃないかって思うのが普通じゃないかな…?」

「そうかなあ?
俺そんな風に思ったことないけど」


文字を丁寧に辿っている目はあたしを見ることなく、

″嫌いなんて言ったことない″なんて、

平気な顔して言って。


本当にこの人、変わってる。



「柚山って本当変、よね」

ぽつりと呟いたリエちゃんの言葉に、
あたしは深く頷いた。