そんな簡単にまた好きになんて…


「…俺さ、初恋が柚妃でさ、中学来なくなってからも、高校入ってからも、確かに可愛い子はいたけど、ずっと柚妃のこと忘れられなくて。…なんていうか、その…彼女いたことないんだよね」


その真偽を確かめる方法はない。


「柚妃は、信じてくれなさそうな顔してるな」

「私、そんな長く好きでいてもらえるほど可愛い女じゃない」

「可愛いよ、小学生の時から」

「それはどうも…」

「それにしても、こんな大人しかったっけ?柚妃って」


ただ、信じきれてないだけ。

不登校になって、少し大人しくなっただけ。

性格が変わった私を、好きじゃなくなってくれないかな。

…なんて強がる。

本当は好きでいてほしいのに。


「もしかして、嘘だったのかな」

「ん?」

「いや、噂程度だけど、柚妃も俺のこと好きだったって聞いたことあって」


コーヒー飲んでたら吹き散らかしてた。

私の気持ち、知られてる…?

なんで…どこから…。


「そんなムスッとしないで」

「考え事してただけ」

「話聞いてた?」

「聞いてたから考え事してる」

「ねえ、実際どうなの?」


ここで素直に、好きだったなんて言えるか。


「…覚えてない」

「覚えてないとは言わせないよ。俺ずっと小学生の時、柚妃には特別優しくしてたし、視界に入ろうとしてたし、関わろうとしてた」