食べ終わって、財布を出そうとすると、
「さすがに今日は奢るよ?」
「いやでも…」
「無理矢理連れてきたの、俺だし!」
「じゃあ…ご馳走様です」
「ん!」
満足そうに笑った。
この眩しい笑顔に、何度救われただろう。
何度ときめいただろう。
私だけに見せてほしかった。
今は、独り占めだ。
「君、女の子連れて来るの初めてだね」
「へっ」
会計をしていたマスターがそう言った。
何で莉玖は焦ってるんだ?
「いや…小学生の時からずっと今まで片想いしてた子と、たまたま再会して…」
「青春だなぁ」
待って、今までって言った?
女の子連れて来るのも初めてだと。
マスターと口裏合わせしてるかもしれない!
どうしても私は、素直になれない。
疑心暗鬼になってしまう。
傷付きたくない…から。
カフェを出ると、なんとなく莉玖から気まずい雰囲気を感じ取った。
「あのさ…柚妃?」
「何?」
「さっきの、マスターとの話聞いてた?」
「そりゃ」
なんとなく言いにくそうに口を開いた。



