そんな簡単にまた好きになんて…


「行こ、柚妃」

「うん」


また勝手に手を繋いで。

いつになったら、両片想いは続くんだろうか。

小学生から好きで、彼女も作ってこなかったと言った。

簡単には諦めなさそうだけど。

諦めてしまうことはあるんだろうか。

私はただ、彼の想いを都合良く扱って、好きな人といるだけだ。

性格悪いな私。

そしたらうっかり口を滑らせた。


「諦めればいいのに」


そんなこと思ってないのに。


「え?」


今更なんでもないとは言えなかった。


「何でそんなこと言うの。俺本気なんだけど」

「追われたって、どうしたらいいか分からないよ」

「ねえ、前の好きって気持ちは戻ってこないの?」


ああ…あの噂とやらか。

とっくに戻ってるんだよ。

今更素直になるのが怖くなってるだけ。


「不安なことあるなら、ちゃんと対応するからさ。どうにか、俺のこと…好きになって」


好きだよって伝えたいのに。

口が開かない。


「いつか、ね」

「何日後?何週間後?何年後?俺、いつまで追わなきゃいけないの?隣、歩かせてよ」

「今隣歩いてるじゃん」

「物理的じゃなくて!気持ちの話」


なんでそんな必死なんだ?

私にそんな魅力無いのに。