そんな簡単にまた好きになんて…


バイトではほぼ毎回莉玖に会っていて、その後軽く散歩したり、個人経営のカフェの開拓をしたりした。

両想いなのに、何も進展しない。

そう、莉玖は片想いだと思っているから。


手を繋ぎたい。

抱き締められたい。

毎日、可愛いよとか好きだよって言われたい。

一緒にいればいるほど、好きが増していく。


とある平日。


<今日、来て!>


普通の高校がお昼休みであろう時間帯にメッセージをよこしてきた。


<15時頃行く>

<うん!>


ラフな格好で、莉玖の通う高校へ向かう。

校門前で、莉玖含む男子生徒が駄弁ってる。

私の気配に気付いたらしい莉玖が、


「柚妃!」


学ランの中に白のパーカーを着て、前は開けている。

まあ、そこそこ着崩してる感じ。

女子にモテる着方ではあると思う。


「じゃあ、好きな子来たから帰るわ」

「おう、じゃあな!」


莉玖が駆け寄ってくる。

そして手を繋いでくる。

とてもナチュラルに。


「初めての柚妃の家だー!」

「ナチュラルに手繋ぐのやめてもらっても…」

「え、やだ。俺のだもん」

「付き合った覚えはないんだけど」

「いいじゃん」