そんな簡単にまた好きになんて…


「だから、柚妃が都合つく日、いつでも会えるよ」

「…ふーん」

「ちょっとその反応は凹む」


寂しげに笑っていた。


「会いに来てよ!…と思ったけど、中学の目の前通りたくないか」

「別に…大丈夫」


なんで私から近付こうとしてるんだ…!


「おっ!じゃあさ、部活行かない日は連絡する!」

「…うん」

「来てくれない?」

「暇なら行く」

「そ、そっか。うん、来てくれるだけありがたい!」


素っ気なさすぎたか。


「…どのくらい勉強できないの」

「授業は、馬の耳に念仏並に理解できない」

「テストの順位は?」

「そりゃ…下から数えた方が早いよ」

「高校卒業後は?」

「…特に考えてないけど、大学とか行けるほどの学力ないからなぁってのは思ってる」


少しだけツンデレのデレを出してみるか。

どんな反応するのか。


「…家来たら」

「家?柚妃の?」

「少なくとも莉玖よりは勉強できるから、順位真ん中にしてあげる」

「それなら上位狙わせてよ」

「それは莉玖の努力次第」

「お…はい。え、でもほんとに家なんか行っちゃっていいの?」

「ダメなら言わない」

「あ、そっか」


そういうことになった。

親は私に不干渉だ。

莉玖1人呼んだくらいじゃ、なんも言わない。


「じゃあ…また、連絡する!バイトも頑張ろ!」

「…うん。じゃあね」


各々自宅へ歩き出した。

私は、はたと立ち止まった。


「何…してんだろ」


自分の発言に、少し疑問をもった。

好きだから一緒にいたいだけだ、これ。


「まあいいや」


そんな簡単にまた好きになんて…