つまり、私は豊田くんにとって女として見られてない、ってことだよね? 「また来なよ。恋愛相談くらいなら乗ってやるから」 誰がアンタに恋愛相談なんてしますか。 ーー当の本人にできるわけないじゃない。 私は密かに豊田くんのカバンの中に入っていた煙草の銘柄をスマホのメモ帳に記した。 ちょっと、試してみようかな。 なんとなく、帰りの自転車は行きより軽やかだった。