そんな彼を横目に私はライターをポケットから出した。


火がつかない。


ライターを何回もカチカチしていると、隣にいた窪田さんがスッとライターを差し出した。



「良ければどーぞ」


「あ、どー……」



ライターを貸してくれるのかと思ったら、窪田さんは自らの手にライターを収めたまま、私が口で加えていた煙草にそのまま火をつけた。