話を聞いてみると、さくら学級は不登校の子達を集めて通わせている施設らしい。
「通いたいかどうかは慧桜さんの気持ち次第ですよ」
「…通って、みたいです」
「分かりました」
それから話はトントン拍子で進んでいき、5月下旬には通級することになった。
同級生の女の子には特別に可愛らしい子が2人いて、あぐりちゃんと美唯ちゃんという。
初めての通級日から、優しく声をかけてくれた。
「慧に桜であすかって言うんだ、珍しいね!」
「え…うん」
「慧桜ちゃんって呼んでいい?」
「うん…」
緊張して、うんとしか言えなかったのを覚えている。
夏休みの通級日。
近所の高校のボランティア部が、やって来る。
さくら学級には慣れてきたものの、初めて会う人にはどうしても抵抗がある。
「ボランティア部、部長の栗原茉音です!2年生です!今日は1日、よろしくお願いします!」
「江口翔です。2年です。よろしくね」
「妹野翼、1年生です!よろしくお願いします!」
一際目を惹かれたその妹野くんは、あまりに顔が整っていて美形だった。



