「なんであんたはそんなすぐ泣くのよ!」

「ごめんなさい…」


私は、嗚咽を漏らし、涙を流す。

お母さんに怒鳴られ、もっと嗚咽が酷くなる。


「部屋に戻りなさい!」


私は大泣きしながら部屋に戻る。

布団に包まり、落ち着こうとした。


私は両親から殴る蹴ると虐待を受けていたが、中1の時に離婚、お母さんに引き取られて今に至る。

中3になった今もたまに、ヒステリックになったお母さんに、蹴られることがある。


ある5月の晴れた日のこと。学校の先生が家にやってくる。夜職のお母さんは、眠そうで鬱陶しそうな顔をしながら迎えた。


「最近はどうですか?学校に通ってみたいと思いませんか?」


担任の嶺野先生が、淡々とそう言ってくる。
ずっと引きこもってばかりで、1ヶ月は家にいるだろう。

人が怖い。
外が怖い。


「…通いたいとは思わないです」

「勉強の方は進んでますか?」

「…分かりません」


教科書を見てもさっぱりだ。


「さくら学級というのがあります。通ってみませんか?」

「お金かかるの?」


お母さんが口を開く。娘の私にお金なんてかけたくないんだ。


「ああ…社会科見学などのイベント事でかかる程度ですね」

「それ強制参加?」

「…いや、強制ではないですけど…」

「ふん、じゃあいいや」