彼女は新しいメトロノームを譲り受けることが決定したと喜んでいた

僕のはいつになるのか、それまで頑張れ
と問いかけてきた


当然僕は新しいメトロノームは貰えない
僕は嘘をついた


━━きっともうすぐだよ


彼女は治療の為に無菌室というところに入ることになった
それを機会にしばらくメッセージをしないことも伝えられた


僕はこれでお別れだと思った
もうほんとに僅かなリズムを刻んでいるから
起き上がることはもう出来なかった
必死に背もたれに寄りかかっていた