「先輩には関係無い…」
突然返してくれた言葉に、
「え…?」
と、掠れて弱々しい声で聞き返してしまった。
関係無いって、どういうこと…?
「さようなら」
そう呟いて、立ち去ろうとした。
“さようなら”って…?
「待って、ちょっと待ってって!
さようならって、どういうこと…?」
酷く嫌な予感がした。
このまま帰したら、取り返しのつかないことになる気がした。
好きな子が、遠くに行ってしまう気がする。
そんなの、堪えられるわけ、ない。
LINEのことを聞けば、弟が消しちゃったと言った。
LINEでなら話してくれるかもしれない…。
そう思って、俺の電話番号は知ってるんだからまた登録してよと伝えたけれど、それには答えてくれずに、彼女はまた立ち去ろうとした。
「ちょっ…待ってよ!あぐりちゃん!」
そう名前を呼んで引き止めようとすると、
「その名前で呼ばないでよ!」
と、叫ぶように訴えてきた。
立ち止まってはくれたけど、相変わらず俺には背中を向けたまま。
「…名前で呼ばれるの、本当は嫌だった?」
また黙り込んでしまった。
「ねえ、どうしちゃったの…?
俺、何かしたかな…」
その一言に、彼女は少し拳の握り方を強めたようにも見えた。



