テストの日。
いくら薬を服用しても、きついこともある。
だからテストの時だけは別室。
1日目は、たまたま後ろにいたあぐりちゃんに気付いて、一緒に登校した。
帰りも、こっそり2人で帰った。
2日目。待ち合わせをして、2人で登校。
何となく、今朝見てきた星座占いの話を振ってみた。
そしたら、誕生日が一緒だと判明した。
今日の運勢は…面倒事が起こる兆しだって。
だとしたら間違ってるな。
あぐりちゃんと誕生日一緒なの知ったじゃん。
校門をくぐり、閉めようとしていると、
「あっ、界也くん待って!閉めないで!」
と声がする。
「ん?…ああ、井口さん」
目を向けると、全力で走ってくる、同じクラスの井口さんがいた。
やっとこっちに追いついて、
「うっかり寝坊しちゃってね!」
「うん」
「界也くんとちょっとだけ会えて嬉しい!
テスト頑張れそう!」
なんて言われる。
…そんなこと言われてもなぁ。
ふと隣にいるあぐりちゃんに目を向けると、井口さんの勢いに少し戸惑っている。
というか…ちょっと悲しそうな表情にすら見える。
そうであってほしい。
少しヤキモチを妬いてほしい。
そんな気持ちが生んだ勘違いだろうか。



