翌日。
休み時間に保健室に行く。
「齋藤さんは…来てますか?」
佐野先生に恐る恐る尋ねてみた。
「第2音楽室にいると思うけど」
「…分かりました!」
俺がそこに向かうと、勉強しているあぐりちゃんがいる。
「おはよう、あぐりちゃん」
そう声をかけると、顔を上げた。
気付いてなかったのかな。
こちらの存在を認識した彼女は、一瞬ポカンとしたようにも見えたけど、すぐに嬉しそうに笑った。
「おはようございます!」
「うん、おはよう」
「何回言うんですか?」
「…あ、俺2回目か。あぐりちゃんがあまりにも元気に言うもんだから、つい」
そんな日々が、しばらく続いた。
だけど、5月になってから、いないことが増えた気がする。
何だろう…寂しい。
平日は毎日会ってたのになぁ…。
そう思ってある日聞いてみると、さくら学級という所にも週に2回通っているらしい。
なんだ…あぐりちゃんは、色々始めて頑張ってるじゃん。良かった。
…あれ?お兄ちゃん目線?



