今日から3年生…。
気付けば受験生だ。
小6の時、起立性調節障害と診断されてから、朝は調子が優れず、集会などで長時間立っているのはきつい。
とはいえ教室には何とか行けるため、お願いしまくって、集会の時は保健室にいさせてもらうことにしている。
椅子に座って読書をしていると、
「失礼しま…」
と、突然ドアが開く。
振り返ると、ビクッとした女子生徒がいる。
ストレートでツヤツヤの黒髪を背中まで下ろした、比較的小柄で顔の小さい女の子だ。
去年、何度か保健室で見かけたことがあるような気がする。気のせいだろうか…?
「えっ…」
彼女は戸惑った表情をして、立ち去ろうとした。
「大丈夫大丈夫!入っていいんだよ?」
「じゃ…えと…失礼します」
そう言って中に入ってドアを閉めるも、まだこちらに来るのは躊躇っているらしい。
スクールバッグの紐をギュウっと握り、俯いたままで固まってしまっている。
「どこか体調悪くて来たの?先生一緒じゃないから、体育館から来たわけじゃなさそうだね」
「えっと…あの…」
彼女は何か言いたそうにするも、言いにくいのか目を泳がせる。
察するに、久しぶりに登校してきた感じ?
まあ、休み時間に居心地悪そうに鞄を持って、保健室で先生と話していたような記憶もあるし、不登校だったのかもしれない。