「あぐりちゃん…俺、去年からずーっと好きだよ。井口さんの話を聞いたら、俺のことなんか信じられないだろうし、嫌いになっちゃったかもしれないけど…。
俺のこと信じて、付き合ってくれませんか」
どうして…どうして、あんな酷いことを浴びさせた私のことを…?
傷付きたくない、でも…今、答えなきゃ、先輩とはもう、会えなくなっちゃう…!
「っ…先…っく、輩…っ」
嗚咽が漏れて、全然喋れない。
告白されて嬉しいやら、何で好きって言ってくれたのか分からなくて混乱してるやらで、涙が止まらない。
そう思っていると、先輩は右手にハンカチ、左手は何も持たずに、私の目の前に差し出してきた。
「へ…?」
「俺と付き合ってくれる、今は無理だけど考えてくれる、って言うなら、俺の左手握って。
絶対にありえないなら、ハンカチだけ取って、俺から逃げていいよ。
そしたらもう、潔く諦めるから」
その選択は、悩む必要は無いんだよね?
もう間違えない。
私は迷わず、彼の左手を取った。



