「あぐりちゃんに嫌いって言われてから7ヶ月。
あぐりちゃんの笑顔を最後に見てからは8ヶ月経った」
心がズキンと痛んだ。
そんなに経つんだ…。
「それでも、俺は諦めずに待ってたんだよ。
待ってるって言ったから。あぐりちゃんのこと、信じてたから」
信じる…?
「あの日、あぐりちゃんにあんな態度取らせて、“嫌い”って言わせた理由、俺1つだけ心当たりがある」
一呼吸置いて、
「井口さんでしょ」
と言った。
自分の呼吸が、荒くなったのを感じる。
「あの後、井口さんとその友達が廊下で話してるのを一部始終聞いちゃってさ。
俺が井口さんの彼氏で、近付いたら容赦しない。俺もあぐりちゃんに迷惑してる。
…というようなこと言ったんだー、って」
鈴木先輩の口から、またあの時の言葉を言われたくなかった。
目に涙が滲む。
「俺、あぐりちゃんのこと迷惑だなんて、面倒だなんて、1度も言ったことないから」
それから、何かを決めたように息を吸った。
「それに…井口さんと付き合ってなんかない。付き合ってたことすらない。
俺がずっと好きなのは、あぐりちゃんなんだから…他の子と付き合うわけないじゃん…」
自信なさげな声で、でも、確実にそう言った。
何故だか、涙がポロっと零れた。
「ねえ。大事なことだから、目見て言わせて?」
「やだっ…」
頑張って手で涙を拭うけど、なかなか止まらない。
泣いてる顔なんて、先輩に見られたくない。



