2月。

高校の倍率が新聞に載っていた。

先輩、どこ行くのかな?

…ダメだ、考えちゃダメだ。


3月。

高校の合格者数が新聞に載っていた。

先輩、志望校に受かったかな。

そろそろ卒業式。

先輩、体調大丈夫かな。

…まただ、何考えてるんだろう。

あんな酷いこと言って突き放したのに。


まだ私は、先輩のことを嫌いになれずにいる。

もう一生、叶わない恋なのに。

ずっと負っていくしかできないのに。

馬鹿だな、私。


4月になって…。

先輩は、中学校からいなくなった。


会わないで済む。

そう、分かってるけど。


始業式へ向かう、私の足はなかなか上手く動かせずにいる。


いつまで経っても私は変わらないまま。


去年同様、保健室に行って、佐野先生にまた色々言われて、担任は嶺野先生のままで。

だけどその保健室には、鈴木先輩の姿は無い。

変わってほしくない所だけ変わっていく。


ワガママだ。

嫌いだって突き放したくせに、一丁前に想い続けて。