今日も君と話したい



言えるわけがない。

そんなのでグズグズして、何してんの!
って言われるのがオチだ。


「先生達も心配してるよ。
明日は頑張って行きなさい」

「っっ…」


心配なんかしてない。してるわけない。
面倒事を減らしたいだけでしょ。

大人なんか、まともに取り合ってくれないくせに。余計で、大したことのない正義感を纏った、良い人ぶった偽善者ばっかり。

だけど、これ以上ずっと学校に行かなかったら、これからも何度も何度も、来なさいコールが来るだけだ。

それに、さくらでも学校から連絡が行って、森先生とかにまで色々言われる。

これは、腹を括って行かないと…ってことか。


翌日。
仕方無く学校に向かった。

雨が降りそうだけど、すぐ帰ってくるし…。
傘は無くて大丈夫だろう。

始業式の日みたいに、重い足取りでいつもより遅い時間に家を出た。

始業式の朝か…。
先輩と、出会う前に戻ったみたいだ。


保健室に着くと、予想通り休み時間が始まる前だ。


「あぐりさん来た。…しばらく休んでたけど、どうしたの?」


ドアを開けるなり、佐野先生がすぐにそう尋ねてきた。

当然、答えようがない。


「…話したくありません」

「ああ…そう来たか」


あからさまに困った顔をされる。