まさかの人の登場に、私はポカンとする。
「こないだの後輩ちゃんだよね」
「こないだ…」
あのテストの日の朝のことだろう。
「界也くんと、仲良く登校してた、齋藤あぐり」
界也くん!と、可愛かった…
そんな彼女の姿はどこにもなかった。
光の無い、怖い雰囲気だ。
そう感じて、唖然としていると、私の机をバシンっと両手で叩いてきた。
「界也くんは、あたしの彼氏だから。
陰キャのくせに調子乗ってんじゃねーよ」
…彼、氏?
頭が真っ白になっていく。
「迷惑してんの。あたしの界也くんなのに、あんたみたいなのがついて回ってさ」
強い語調で、私を上から睨みつけてくる。
「おかげで休み時間も、喋れないんだけど。
界也くん、優しいからあんたなんかとも一緒にいてあげてるだけで、本当に好きなのはあたしのことだから」
好きなのは、両想いなのは…井口さん?
「何、自分と界也くんが両想いだと思ってた?」
「そ…そんなことっ…」
「自分の名前、分かってる?あぐりって、英語だとuglyって言って、醜いって意味だからね?」
「それは英語でそうなだけで、日本じゃ…」



