「あっ」
「分かりました?」
彼は少し不敵に微笑んだように見えた。
「1番好きなフルーツを使ったやつではないでしょ」
「なっ…」
「わざとらしい!どっちだそれ!」
まっすぐ反応したつもりだったんだけど、逆に混乱させたらしい。
それなのに、彼はすぐに答えた。
「生クリームバナナキャラメルでしょ」
「えっ…」
「どっち…!」
彼は祈るように顔の前で手を握った。
「正解!!」
「え、ホントに?お、俺が言ったから気を遣ってとかではなく…?」
「いつもそれです」
「そうだよね」
「へ?」
そうだよね、なんてあっさり言うもんだから、不思議になった。
「何でキョトン?」
「え…なんか、知ってるみたいな…」
「前言ってたじゃん。
いつもは生クリームバナナキャラメルのクレープ食べるけど、期間限定の和風バニラ黒糖クレープ食べて美味しかった!みたいな」
そんな話をした記憶があるな…。
忘れかけてた。
「先輩、話した本人がろくに覚えてないことをよく覚えてますね」
「覚えてるよー。和風バニラって、若干矛盾起きてる感じするけど、食べてみたいなーって思ったから」



