「本当なら、俺がちゃんと予定考えておくべきなんだろうけど」
「一緒に考えればいいじゃないですか」
「え?」
「その方が、お互いに楽しめません?
別に、先輩のことダメだなー、なんて思ってないです」
ちょっとくらい苦手なこととか欠点が無いと、お顔と性格の良さとのバランスが合いませんし。
「あぐりちゃんは優しいなぁ」
「先輩だからです」
「んっ?」
うっかり本心ポロリしちゃったわ。
映画館から出て、併設されているショッピングモール内のベンチに2人で座る。
併設されてるのは映画館の方か。
「あ、カーディガン。さっきはありがとうござぃした!」
「いやいや…寒そうにしてたから」
「今度洗って返しますね」
「そんなわざわざ…。いいのに、そのままで」
「マナーじゃないですか?」
「そうなの?じゃあ、お言葉に甘えて」
彼は微笑んだ。
「さっき、どこ行きたい?って聞いてくれたじゃん」
「あ、まあ」
「どこがいいってのは別に無いけど、俺はもうちょっとあぐりちゃんと2人でいたい」
先輩の、落ち着いた調子で言うその言葉に、思わず驚いてしまった。
私も、言っていいのかな。
「わっ、私も先輩ともっといたい…」
「あぐりちゃんも思ってくれる?やった!」
先輩が無邪気な反応を見せてくれた。
2人であーだこーだ話しながら決めようと思っていたけど、結局そこで20分以上他愛ない会話をしていた。
そうだ、いつも別室で喋ってばかりだから、そうなってしまう。



