「そういや何も聞かないで席決めちゃったけど、大丈夫かな」
「ああ…」
チケットに書かれてる席番号を見れば、大体真ん中ら辺の端の席だ。
「結構人気な席なんじゃ…」
「後ろ過ぎるのも何だし、前の方も首痛くなるから、ここら辺かなーって」
「バッチリ!」
そう言うと、彼はほっとしたような表情を見せた。
「実を言えば、映画館久しぶりなんだよね」
「そうだったんですか?」
「普通は朝イチのやつ観ようってなるじゃん」
確かに、仮に美唯と映画観に行くってなったら、朝イチの回に行って、午後はお昼ご飯食べて少しショッピングしてってなるか。
「でも俺、朝ホントにしんどいから、映画館行くのは避けてて。でもあぐりちゃん、午後のでもいいって言うから、安心して来られたんだ」
鈴木先輩となら、いつでもいいから。
特に気にしてなかったけど。
「朝苦手、大変って言うから、起立性調節障害とか、低血圧とかかなって思ってはいましたけど」
軽くそう言うと、先輩はポカンとしていた。
「え?何かマズイこと言いました?」
「いや、起立性調節障害なんてよく知ってるなって思って」



