「今日もカッコイイな、って」
「え?」
「あっ…」
何を正直に言ってるんだ私!
「も、ってことは、いつもカッコイイみたいじゃん」
「いつもカッコイイじゃないですか」
「そっか?なんか嬉しいなー」
そう言いながら彼は少し照れたように見えた。
夏だからな。暑いから、赤いように見えるだけだ、多分。
「お昼ご飯は食べてきました?」
「うん、朝昼兼用になっちゃったけど。あぐりちゃんは?」
「食べてきた!上映中におやつ食べながら観るのも良いけど、もしかしたら先輩、それは好きじゃないかなーって思って」
「うん…まあ、飲み物しか頼まないかも」
良かった、想定済みで。
映画館に着くと、まだ入場可能な時刻まで10分程あった。そして何故か、コンビニで買ったはずなのに、自動発券機に向かう。
「え、コンビニで買ったんじゃ…」
「確かにコンビニで買ったけど、ネットで座席指定して番号確認して、ここで発券するの」
「へえ…そういうシステムなんだ」
「あぐりちゃん、よく自分で買おうとしてたね?」
先輩は慣れた手つきで発券していった。
その後それぞれ飲み物を買い、空いているベンチに並んで腰掛ける。
チケットと代金を交換する。
「1400円ですよね。…はいっ」
「丁度だね。どうぞ」
「もうホント、ありがとうございます」
そう伝えると、彼はフワッと微笑んだ。



