「そう言うあぐりはどうなんだよー」

「えー?私ー?」

「こっちに聞いといて、自分は言いません、は無いでしょー?」


まあ確かに。


「同じ中学の先輩」

「へへー、あぐりはいるんだ」

「…うん。すんごい気さくで、カッコイイ人」

「喋ったことあるってこと?」

「始業式の日にね、行きたくないー!って思いながらも保健室行ったの」

「うん」

「そしたら、そこで読書してる人がいて。で、何か色々話しかけてくれて、その後も別室登校した時、休み時間になるとお喋りしに来てくれるの」

「うん、それは両想いじゃなくて?」


さらっと、美唯は爆弾発言をしてきた。

り、両想い…?


「いやいや、ないない!だって、絶対おモテになられてるし、こんな後輩女子を好きになるなんて、ねっ?」

「興味無い女の子に、わざわざ会いに来るとは思えないけど?」

「そうかな…ただ優しいだけだと思うんだけど」

「もしそこまでしてあぐりが遊びならさ、その時はその時でしょ。
そしたら、大嫌い!ってなるべき」


美唯は結構強気な発言をしてきた。

そりゃあ…美唯さんみたいに可愛ければ、もっと鈴木先輩と両想いな自信があるだろうけど。


「それで、夏休みは会うの?…あ、けど受験生だよね。厳しいか、あぐりから誘うのは」

「夏休み中も会いたいって言われた」

「はい、もう両想い確定。私から言うことは何もありませーん、ありがとうございましたー!」

「え…ちょっ…」

「ま、頑張るんだな」