「お、ハマ嬢とあぐちゃん。今日の姫達のご登場ー!」

「相変わらず、森先生はテンションおかしい」

「何をー?!」


ハマ嬢こと、美唯のツッコミをほのぼのとした気持ちで見ながら、上履きに履き替える。


そしてその日の休み時間は、先生も巻き込んで大富豪大会となった。美唯が来てから、ずーっと大富豪ばかりやってる気がする。


「美唯、どんだけ大富豪好きなの…」

「え、めっちゃ楽しいじゃん!…あぐりだって、
はい7渡しぃー!って、テンション高くやってるじゃん」

「それは否めませんです、はい」


学級の帰り、方向が一緒で(私が若干、遠回りをしてる)、美唯と一緒に帰るのがいつの間にか日課になっていた。

なんだかんだ、水曜と金曜って通級日が一緒だし。

土手沿いを2人、自転車で。


「美唯って好きな人いるの?」

「うーん。しばらくいないなー。今はアイドルとアニメだけでいいや」

「めっちゃモテそうなのに」

「やめーい。そんなことないからやめーい」

「可愛過ぎて、告白できないだけかもしれない」

「あぐりの目だけ、浜辺美唯が可愛く見える魔法にかかってるんじゃない?変な魔法かかってない?それ」

「またまたー」


私が男だったら、めっちゃ付き合いたいもん。