その日の夜。
弟の壮太がお風呂に入ってる間に、鈴木先輩の連絡先を登録してみた。
LINEの知り合いかも?という所に、“Kaiya”という名前が出る。
けど、そのままだと壮太から冷やかしが入りそうだよなー。
共用してるのはLINEもだ。見られない可能性が無いわけじゃない。
ちょっと考えて、“鈴木先輩”と登録しておいた。これなら男女どっちか分かるまい!
「何て送ろう…」
やはりそれが最初の関門だ。
いつも通りがいいよね、これは。
<あぐりです!>
<鈴木先輩のLINE登録できました。よろしくお願いします>
と送ってみた。
大丈夫かなぁ…。
とりあえずタブレットから手を離し、キッチンの方に行った。
匂い的に、今日はカレーだ。
スプーンや箸を並べるくらいはしなきゃ。
食後、真っ先に部屋へ行く。
画面を点けると、通知が来ているのが分かる。
<あぐりちゃん!よろしくね>
とあり、可愛いシロクマのスタンプもあった。
先輩、こういうのも使うんだ…!
<スタンプ可愛いですね>
と、反射的に返していた。
わわっ、こんなこと言ったってしょうがないじゃん!
そう思って、送信取消をしようとすると、既読が付く。あっ、もう遅いわ。
<残念…もう配布終わっちゃってる>
だって。
…そういうのもいちいち返してくれるんだ。



