「美桜菜、おはよ!早いじゃん」
「おはよー!いやなんかさ、早起きしちゃって。いつもより2本早い電車乗った」
「早起きは三文の徳って言うし、良いことあるかもね」
「え、じゃあ良いこと浬沙に注入ー!!」
「いいの?!注入されたーっ!うおー」
この可愛すぎる美少女は、八女美桜菜。見た目も中身も可愛すぎる。なんなら名前も可愛い。
一般ピーポーの私にも関わってくれるのは、私が山下で、出席番号の順番的に前後になり、たまたま意気投合したから。
2次元(アニメ・ゲーム)大好きな彼女は、彼氏もおらず、私といることが多い。女子にも好かれる、気さくで気取らない態度なので、女友達も普通にいるが、私は何故か美桜菜に溺愛されている。
なるほど…私との百合展開か!…ってことはないのであります。期待しないでください。
「おはよ、楽しそうで朝から元気だね」
そう声をかけてきたのは、羽柴瞬汰。私の隣の席で、女子人気の高い男子。ブレザーの中にパーカーを着ていて、女子ウケもいい。朝、同じくらいに来て、必ずおはよと声をかけてくる。
「あー、羽柴くんおはー」
「八女さんもおはよ」
「…おはよ」
私は、目も合わさず、申し訳程度に返す。
美桜菜とのやり取りが嘘みたいに。



