そんな日々が続いていた。確かに毎日、朝と帰りに羽柴は私に挨拶してくるが、それと同時に美桜菜が羽柴に話しかけている。それを羽柴は満更でもない様子で受け答えしている。

私はただ、複雑な気持ちで聞いてるだけ。


年明け。

なんとなくモヤモヤした気持ちで登校する。


「浬沙、あけおめー!」


校門をくぐっていると、後ろから声をかけられる。


「美桜菜か、あけおめ」

「どうした?元気無いね」

「…ううん、なんでもない」


羽柴から、冬休み中にきたLINEは1通だけ。あけおめ!の一言。


「あーそうだ、羽柴くんと昨日水族館行ったんだー」


目を見開いてしまった。


「私から誘ってみたら、いいよ行こって」


…なんで?なんなら、これまでの羽柴なら、羽柴から声をかけてきてもおかしくない。


「浬沙?何難しい顔してんの?」

「いや、なんでもない」


さっきから羽柴羽柴って、おかしいのは私だ。

嫉妬してるみたいじゃん。


教室に着くと、羽柴が先に着いていた。

何故だか泣きそうになった。必死で涙を堪えて、席に着く。


「おはよ、山下さん」

「…ん」

「ん?」

「おはよー羽柴くん!昨日は楽しかったね!」

「え?」

「え?」

「あ、ああ…っ、水族館ね、ペンギン可愛かったね」

「そうそう!」