「ほら、これでどうよ」
「可愛いー!」
ぬいぐるみを抱き締めて、思わず飛び跳ねる。
「可愛すぎ、可愛すぎ、羽柴ありがとう!」
と、言って目が合ってから気付く。
気を抜きすぎた。
心を開きすぎた。
元気いっぱいの笑顔で、ありがとう!なんて言ってたら、羽柴は愛おしそうに見つめて微笑んでくる。
「…やっぱなんでもない」
「忘れない、今の1連の姿」
「忘れて」
「嫌だ。好きな子の無邪気な笑顔、忘れるもんか」
好きな子好きな子って、好きだ好きだって。
…意識、しちゃうじゃん。
それからカートゲームや、シューティングゲームなどをして、帰路に着く。
「楽しかったよ、ありがとう」
「まあ、私もなんだかんだ楽しかった…」
「なら良かった!またどっか行こ」
「それはどうかな」
「えー」
また気を抜いてしまうかもしれない。
またあんな顔見せられたら、好きになってしまう。
「じゃあ、またね。山下さん」
「またね」
自然とそう返していた。またね、か。



