「あー、お茶でも出すか?」
「ありがとうございます!」
立ち上がると、少し陽太の方が背が高い。
いや…俺も180あるぞ?
「お前、身長いくつあんの」
「185ですね!俺の方が背高いのか…じゃあ、子犬先輩!」
「は、はあ???」
解せぬ、なんかこの兄解せぬ。
「陽太、そんな失礼なこと言っちゃだめだよー」
「フレンドリーにいこうよ!」
「まあ陽太らしいか」
姫莉もかー!
お茶を出すと、ごくごく飲み干す。
喉渇いてたんかい。
「じゃあ、挨拶できたんで帰ります!」
「じゃあな」
「また!子犬先輩!」
「はいはい」
もう諦めることにした。色々と。
「急に呼んじゃって申し訳ないです」
「ほんとだよ」
俺が苦笑いを浮かべると、姫莉も同じように苦笑いを浮かべる。少しだけ、表情が豊かになったように思えた。
昨日と同じような感じで夜を過ごし、朝を迎える。
何週間か、そんな日々が平和に続いていた。
平和ではあったし、姫莉が心を開いてるくれてる感じはしていたけれど、どこか彼女には影があって、触れてはいけない気がした。



