寂しい姫と不器用王子


ドライヤーの冷風で、スカートを乾かす。
後方から扇風機を当てて。

随分短いの穿いてるんだな、と改めて思う。

ベストはオシャレ着洗いで大丈夫か。


一通り終わらせて、自分もシャワーを浴びる。


「姫莉?」


寝室を覗くと、生気の無い目でぼんやりしながら横になっている姫莉。


「横になってたい?ちょっと話できるか?」

「…話せる」


起き上がって、リビングにやってくる。
床に2人で体育座りして、しんみりとする。

「何があったの?前もあんなことあったの?」

「…高校入ってからは初めてだよ、ああいうあからさまなのは」

「あからさまじゃないのは?」

「女の子から話しかけてもらえないってことは、入学当初からあった」

「そうだったんだ」

「小学校の時も、中学校の時も、いじめられてた」


まあ分からないでもない。可愛いが故に、僻まれていじめに遭っていたのだろう。


「今日は?なんで、あの女子達について行ったの?」

「話があるって言われて」

「嫌な予感しなかった?」


涙を滲ませ始めた。


「したよ?…けど、腕引っ張られてっ」

「うん」

「裏庭連れて行かれて、調子乗るなって、イケメン彼氏いるからって調子乗るなって…別に付き合ってないって言ったのに、誤魔化すなって言われて、水かけられた」