「涼くん」
「あ、琴葉。LINEくるかなーって見てたけど、普通に来たね」
そう言ってポケットにスマホをしまう。
「お給仕おつかれさま」
「大変だったー!」
「忙しそうだったね」
「うん、でも回るの楽しみ!行こ!」
私は涼くんの手を握る。
「校内なのにいいの?」
「え?」
「いいならいいよ。でもせっかくならこっちだ」
そう言って恋人繋ぎに直される。
2人で文化祭デート、高校生っぽくてすごくワクワクする。
射的、美術部やアニメ同好会の作品展、食べ物系も魅力があって、結構華やかな文化祭。
「お化け屋敷あるじゃん」
「あ、こっちに…」
「ねえ、お化け屋敷」
「涼くん?」
「珍しく空いてるから行こ?」
私の反応が面白いからって…
「カップル大歓迎でーす!怖さ倍増になります!」
うげ。
私は、涼くんと恐る恐る中に入る。手を繋いでない方の手でも、涼くんの腕を掴む。
おどろおどろしい音に、
「ひゃっ」
と声を出す。
「いやまだ入口じゃん」
その後、色々驚かされて、怖さ倍増の恐ろしさを体験することになる。
「怖かった…」
「楽しかった!琴葉いっぱいくっついてくれるし!」
涼くんが満足そうならいいや…



