心-ココロ-



夏休みも最終日が近付く頃。

やっと涼くんからLINEがきた。


<話したいことがある>
<予定合う日に、家で話したい>


少しだけ、胸がざわめいた。
別れ話じゃないよね…?


夏休み最終日。
涼くんが私の家まで迎えに来る。


「ごめんね、連絡待たせて。1人色々考えてた」

「ううん」


手を繋ぐこともなく、涼くんの家に着く。

やっぱ別れ話か…。

ここに来るのも、最初で最後かぁ。

リビングを素通りして、涼くんの部屋に通される。

ドアを閉め、涼くんは急に抱き締めてきた。


「琴葉…別れないで?」


想像していた反対の言葉が飛んできた。


「別れ話じゃないの…?」

「そんなんするわけないじゃん」


ほっとしたら、膝から崩れ落ちた。


「え、大丈夫?」

「大丈夫…」


私に視線を合わせるように、涼くんはしゃがみこむ。


「別れたくないから、深い干渉もしない。色々詮索して知りたがらないようにする。琴葉のこと、信用することにした」

「うん…分かった、ありがとう」


チュッと、軽くキスしてくる。


「会ってなかった分のキスとハグ、していい?」

「うん」