「琴葉、前俺言ったよね?琴葉のこと何でも知りたいって!」
「17時半まで当番だからさ、遅いの心配だから送ってくれてる…というか、なんというか」
「もっと早く言ってくれてたら、俺が毎週迎えに来てたのに!」
「過干渉」
突然、茜部先輩が呟いた。
「は?」
「きもいよ、お前だいぶ」
「なんなんですか…」
「彼女の何でも知りたいって、だいぶきもい。隠したいことのひとつやふたつあるでしょ」
「はあ…?なに、あなたのことが疾しい存在とでも?」
「さあ?」
え、ちょっとやめてよ、別に茜部先輩は疾しい存在ではない。
「琴葉、夏休み明けからは俺が17時半に迎えに行くから」
「え、いいよ…」
「なに、そんなに先輩と帰りたいの?」
「違うよ、明るいから1人で帰れるってこと」
「嫌だ、俺もう耐えきれない。こんなことしたくなかったけど、毎日報告LINE。1日あったこと、話してもらう」
「え…やだよそんなの」
「なんで?」
「そんな報告するような面白いことないし…」
「面白い話してほしいわけじゃないよ?」
「…はは」
茜部先輩が笑い始めた。
「破滅するカップルだな。まあ好きにしたら?」



