心-ココロ-


<明日はごめん!委員会の用事があって>

<休みの日なのに図書委員の仕事?>

<本買いに行くの>

<そうなんだ、結構大変だね>
<え、まさか1人じゃないよね?>

<水曜日のペアの先輩と行くよ>

<あー、びっくりした。頑張ってね>

<うん、ありがと>


翌日。いつも茜部先輩が先にいるから、私が先に着いてやろうと意気込んで、急いで駅に向かった。

待ち合わせの目印にしてるロータリーには、まだ茜部先輩はいない。よし。

しばらくすると、階段をリズム良く駆け下りてくる音が聞こえる。音がする方を見ると、茜部先輩だった。


「悪い、電車少し遅れてて、遅刻した」

「遅延してたんですか?」

「遅延証明出ないくらいの小さな遅れだけど。ごめん、待たせた」

「いつも図書委員の時、私の方が後なので、先に来られて満足です」

「ふーん、あっそう」

「お金、ちゃんと持ってきました?」

「あるに決まってんだろ…」


ショルダーバッグから封筒を見せる。


「じゃあ行きましょ!」

「楽しそうだな」

「え?」


確かに…何でだ?


「学校以外で、学校の人と出かけるのってワクワクしません?」

「…別に」


一蹴されてしまった。