「じゃあね、琴葉」
「送ってくれてありがとう」
「ううん、少しでも長く一緒にいたいだけだから」
キュンとすることを、いとも簡単に言ってのける。
「すぐ照れるじゃん」
「だって涼くんが…」
「だって涼くんが?何?」
「んー…」
「ははは、意地悪しすぎた、ごめん」
「じゃあね!」
「またね」
手を振る。
涼くんも手を振り返してくれる。
翌日、休み時間にロック画面を眺めながら、涼くんイケメンだなーと耽っていると。
「え、めっちゃイケメンだね!彼氏?」
「え?」
「あ、ごめん!携帯覗くつもりなかったんだけど、たまたま目に入っちゃって!」
ショートヘアの溌剌とした女の子が、後ろから声をかけてきた。
「えっと…うん、彼氏」
「そうなんだ!え、付き合ってどれくらいなの?」
「まだ付き合ったばっかり…かな」
「へえー!なに、中学卒業を機に、みたいな?他校の男子だよね?制服違うし」
「うん、まさに中学卒業だから、告白して…」
「え!勇気あるね!」
「もう会えなくなるのかなって思ったら、嫌だったから…」
「うんうん」
と、普通に話していたけれど。そういや名前も知らない。



