「涼く、んっ」
喋る暇など与えてくれない。
やっと離れたと思ったら、首筋に唇を当ててきた。
唇でハムハムとしてくる。
「涼くん、ひゃっ…」
舌が当たる感触に、内側にある何かがじゅわっと弾けるような感覚がした。
涼くんの唇は、私の鎖骨の端の方に行く。
「いっ…」
吸われるような痛みを感じた。
涼くんは顔を上げて、私に目を合わせた。
「ガチで好きな子と出逢うと、キス魔になるって本当みたい」
「キス魔…?」
「キス、止まらなくなってたでしょ?」
「うん…」
「そういうこと」
「ねえ、最後の痛かったの何?」
少しだけ悪そうな笑顔を浮かべる。
「俺のって印」
「…キスマーク?」
「そう」
突然、耳元に唇を近付けてくる。
「琴葉は一生俺のだよ」
と、囁く。
「返事は?」
「…はい」
悪魔的な涼くんも悪くない。
「もっと、して?」
「えっ」
「キスとか、ぎゅーとか、しないの?」
「あー…」
何故か困ったような顔をされる。
「理性壊れかけの俺相手にそれ言う?」
「…うん?」
「なんとか抑えてあれなんだけど」
「抑えなかったら…?」
「言わせるなっ」
と、鼻をつままれる。



