心-ココロ-


何か言いたげだったけどまあいいや。


「映画でも借りる?」

「そうしよ、2作借りよっか」

「うん、それぞれ観たいの借りればいいね」

「そうそう!…じゃあ日曜、何時くらいに家行けばいい?」

「あ、待ち合わせ家なの?駅前のレンタルショップ待ち合わせでも良かったけど」


そう言うと、涼くんは軽く溜め息をついた。


「分かってないなぁ」

「何が?」

「少しでも長く彼女といたい彼氏心。逆に無いの?少しでも長く彼氏といたい彼女心」

「え…いや…」

「無いの?」

「効率しか考えてなかったです…」

「ふーん。別に駅前集合でも効率いいわけじゃないよ」

「…よく考えたらそうだね」

「なんか拗ねた。俺だけ好きなの?」

「ごめんね」


喧嘩になっちゃった?どうしよう。涼くんと喧嘩なんてしたことなかったのに。


「私、涼くんと手繋ぎたいもん、ギューもしたいもん」

「ん」

「…だから、家デートしたいって言ったんだもん…」

「分かったからやめて、にやける…」

「にやける?」

「拗ねてごめん」


良かった、たまには正直に言うもんだ。


「じゃあ、おやすみ」

「おやすみ」

「琴葉、声聞けて良かった。今日も好きだよ」

「おやすみ」

「琴葉」

「涼くん大好き」

「いつも予想超えてくるじゃん…はあ、おやすみ」

「おやすみ!」