心-ココロ-


帰ってから、涼くんにLINEするか迷った。

図書委員になったこと、毎週水曜日は会えないこと、ペアの先輩がちょっと怖いこと、話すか話さないか…。

高校に入学してから、2回しか涼くんに会ってないし、その2回とも涼くんからの連絡。私から会いたいとは言えていない。

私が会いたいなんて言ったら迷惑なんじゃないかって。涼くんが暇な時、都合がいい時、会えればいいかなって。

だから、水曜日会えないことをわざわざ自分から言ったら、逆に会いたいって言ってるみたいで…。

そりゃ私だって、涼くんに会いたいよ。

だけど、友達いっぱいいるだろうし、邪魔したくない。負担になりたくない。


…言わないでいっか。何も。

図書委員になったことなんて、別に興味無いよね。

聞かれたら答えればいい。


翌週、水曜日。図書委員の日。

図書室に行くと、先に茜部先輩が来ている。

受付の席に着いて、肘をついて、この前と一緒で気怠げだ。


「あの…」

「ん」

「こ、こんにちは?」

「…うっす」


特に目を合わせるでもなく、そう返してくる。

我ながら、こんにちは?って謎の疑問形って何なんだろう。

何も言わず横に座るよりかは感じ悪くないだろう、うん!