Dark Fantasy Night

ハロウィンの起源となった祭りといっても、現代のような派手なものではない。しかし、収穫を祝う祭りのためみんな穏やかな笑みを浮かべている。

一時間はあっという間に過ぎていった。

「そろそろ隠れましょう。帰る方法を探さないと」

モルガーナがそう言い、ダナも「そうね。こんな時でもお祭りが楽しめたからよかったわ」と頷く。

「もうちょっと楽しみたいけど、しょうがないよね」

ディアナもそう言ったため、三人は物陰へとまた隠れた。それでも賑やかな声は聞こえてくる。楽しかったな、とダナは頬を緩ませた。

「……とりあえず、私たちは今すぐにここを離れましょう」

モルガーナの低い声にダナは驚く。モルガーナの顔は先ほどの楽しげなものとは違い、どこか怯えているようだった。

「モルガーナ、どうしたの?」

ダナとディアナも不安になり、訊ねる。モルガーナは辺りを確認してから「実は……」と口を開いた。

「サヴィン祭は穏やかなお祭りじゃないの。本当はとても恐ろしいものなのよ……」