Dark Fantasy Night

物陰から一歩踏み出せば、そこはサヴィン祭の世界だ。ハロウィンの起源となったお祭りをこの目で見ていることに、ダナの頬が緩む。それはディアナもモルガーナも同じなようだ。

「すごい！あたしたち、すごく貴重な時間を体験してるんだよね！！」

ディアナがはしゃぎ、モルガーナが頷く。ダナは目の前の光景をジッと見つめていた。

家々には収穫した小麦などで作られた料理が出され、大規模な焚き火までされている。その焚き火の周りに人が集まっていた。

「焚き火は太陽への敬意を示すという意味合いがあったの。人々は先祖の霊を家に迎え入れ、歓迎として食事を出す。そして悪霊には食べ物を与えることと引き換えに家から出て行ってもらっていたのよ」

「へえ〜！でもさ、魔女のあたしたちから言わせてみればきっと悪霊が見える人なんて少ないと思うんだけど」

モルガーナの説明にディアナがそう言い、「ちゃんと話を聞きなさい」とダナがディアナの頭を軽く叩いた。