私は、ミモザの言葉に笑う。その時だった。村の方から悲鳴が聞こえて、私たちは一斉に悲鳴がした方を見た。

1つの目をした巨人が、棍棒を振り回してるのが見える。……って!あれは!

「……サ、サイクロプスじゃん!何で……出現率は、低いはずなのに……」

「カイロス隊がいるから、サイクロプスは何とか倒せ……」

そう言いながら、ミモザは少し離れた所で戦ってる兵士を見たけど、すぐにため息をついた。

「無理そうだ。私たちで、サイクロプスを倒そう!」

ミモザは、そう言って短剣を握り直す。私は炎が纏った刀を、紫羅は杖をそれぞれ構えた。そして、アサはオカリナを吹く。次の瞬間、力がみなぎってきたような気がした。

「……お、バフだ。よし、行くよ!」

私たちは頷いて、サイクロプスに向かって走り始める。サイクロプスの所に行くまでに、避けては通れない魔法が飛び交う戦場を、4人で協力して走り抜けてく。

「……っ!」

私の目の前を、水の塊が横切った。それを避け切れずに、私は食らって吹き飛ぶ。

「ラナ!」

紫羅、ミモザ、アサは同時に叫んで、私に近寄った。

「……ミモザにアサ。お前ら……カイロスを裏切る気か!」

ミモザとアサの前に、いかつい顔をした男性が立ってる。