俺の彼女は魔法使い

そうしていると、そこである人と目が合った

向こうはこちらに気がつくと「よっ!」と言って同じ車両に入ってくる

その人は楠木陽菜

いつものようにイヤホンをはずしながらこちらに近づいてくる

俺の横まで来て「チャイ語の覚えた?」と聞く彼女に「全然。ほんまヤバい」と言う

「私もヤバい」と彼女は言うと、カバンから教科書を取り出た


「俺、最後の2行無理や…」

「最後の2行?あぁ!湖のヤツ?」

「それそれ」


「確か…何やったっけ?」という俺に彼女は「湖(hu)」と言う


「えっと確か、湖 修复……」

「『既に』が抜けてる…」

「あ、已经!」


そんな感じで2人でチャイ語のやりとりをする


こうやって何も考えずに接している方が、とても楽だ

でもこのままだと何も変わらない

でもずっと近くにいれるかもしれない


何か恋する乙女みたいな事考えてるな、俺


そう思うと、何だか自分に少し笑えた