すごく変態みたいなことしてるけれど、けしてそういう訳では無い。

悠真先輩だからだ。



「へへっ」


「変な笑い方すんな」



そう言いながらも、悠真先輩はジャージを私に貸したまま、取り返そうとはしない。


こういう所が、優しいんだよなぁ......。

試合前に先輩方が教えてくれたことは、本当だろうけれど、そのせいで、悠真先輩の良さに気づいていないのだと思う。

みんなにも知ってほしいと思うけれど、私が独り占め出来なくなるのも嫌だ。


今はーー、このままでいいかな。



「悠真先輩ーー」


「ん?」



私たちはお互いに校庭に目を向けたまま話した。



「やっぱり私、先輩が好きです」


「......」



私の気持ち伝わった?


雰囲気は抜群に良かったはずだ。

私はゆっくりと悠真先輩の方に顔を向ける。



「えっ?せんぱーー」



なんと、悠真先輩の顔が真っ赤に染まっていた。


今までに無い反応。

これは、脈アリだと思ってもいいーー?