悠真先輩の教室や、終わった生徒が集まっていそうなところ、中庭も探したけれど、どこにも先輩の姿はない。


残るはーー、屋上だけだ。


階段を最上階まで駆け上がり、上がった息を整えながら、屋上に続く扉を開けた。

キィっと音を立てて開いたドアの向こうには、手すりに寄りかかって校庭を見ている悠真先輩の姿がある。



「やっと、見つけました......」



悠真先輩に近づくようにゆっくり歩いていく私。


そんな私に目もくれず、悠真先輩は言った。



「もう終わったのか?」



最後まで見ていてくれた癖に、まるで、知らないとでも言うような口ぶりだ。


まったく......、素直じゃないんだから。



「もう、何言ってるんですか先輩。最後まで見てくれていたじゃないですか!ちゃんと、先輩の声聞こえてたんですからね」


「......っ、そうか」



えっ、何その反応。

恥ずかしいのか、そっぽを向いているけれど、可愛すぎるんですけど。