先輩に教えて貰えるのは嬉しかったけれど、早々に私は後悔しはじめている。
まさか、こんなにスパルタだったとは。
悠真先輩とふたりきりで嬉しいけれど、全くもって甘い雰囲気なんかないこの状況に、私の心は複雑だ。
「なんだ、やらないのか?じゃあ......」
そう言って、悠真先輩はさっさと帰ろうとする。
「ま、待って、やります!」
私は慌ててその場でドリブルを始めた。
ダムダムダム......ベチッ......。
たまにボールとリズムがズレて、変な音がするも、何とか形になってるはず。
ーーボールから目が離せないけれど......。
目を離したら、ボールは自分の足にぶつかってくるに違いない。
「......だよな」
悠真先輩は、真剣な私を見て、なぜか遠い目をしていた。
ボールしか見ていない私は、そんな事には一切気づかなかったのだけれど......。
「はい、ストップ」
そう言われて、顔を上げる。



